国産材の家

 例えば、「軒の深い安定感のある平屋」に見られるような構造の美しさや、木や漆喰などの自然素材の感触といったものを、伝えていきたいと考えています。〈住まい〉は住む人を守り、時間を共有して生きています。また、そこに流れる空気は、住む人の立ち振る舞い、言葉使いにまで影響を与えます。私たちは生活空間の意義をもう一度問い直し、次世代に継承すべきものを、しっかり見極めなければならない時期にきていると思います。
 合理化・機械技術の進歩と共に、ツルツルピカピカの時代になってしまいましたが、五感に響く建築には素材感が必要だと思っています。素材を知る職人の、ローテク作業の積み重ねによってしか創り出せない《表情》というものを、この時代に少しでも残せれば・・・と思います。その表情が歳月を刻み、美しさに深みを増していくでしょう。

基本的な骨組みです